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AMラジオ(中波放送)を良好に受信するには。。。
頂冠アンテナ(放送局)
放送局の送信アンテナから輻射された電波は、拡散しながら伝搬しますので、距離が離れると
急激に弱くなってゆきます。

中波放送の電波を良好に受信するには、高くて長いアンテナを設置することが有効です。

高くて、長いアンテナを設置できない場合は、ループアンテナを製作して受信機の感度を上げます。
ワイヤーアンテナ
簡単なゲルマニウムラジオ・トランジスタラジオで中波AMラジオ放送を受信するには
        ゲルマニウムラジオは電波のエネルギーを検波して取り出した電力だけでイヤホンを鳴らしますので、
        電波のエネルギーを十分にキャッチできるアンテナを接続しないとイヤホンからは何も聞こえません。
        電波の弱い地域、場所(マンション等鉄筋の建物を含みます)では、利得の高いアンテナが必要です。 
        イヤホンの音量はアンテナで捕えた電波のエネルギーの量に依存します。

@周囲のものをアンテナとして利用する
  << マンション等、鉄筋の建物では下記のアンテナの効果は期待できません >>
  ・電話線をアンテナとして利用する。(電話機のコードにアンテナ線を巻きつけて、容量結合させる) 
    ※光ファイバーは、アンテナの効果がありません。
  ・ACコンセントに接続した延長コードに、アンテナ線を巻きつけてアンテナとして利用する。(容量結合させる)
   (ACコンセントにコンデンサを直接挿入してアンテナ線を接続する電灯線アンテナは、危険が伴うのでお勧めできません)
  ・窓のアルミサッシ枠をやカーテンレールをアンテナとして利用する。 
     ※アルミは電気を通しますが、アルミサッシは表面処理がしてありますので電気を通しません。 
     ※窓の鍵の表面処理の削れたアルミの地金部分、サッシを取り付けているの留めネジ(木ねじ)に接続します。

A利得の高いアンテナを製作する
  ・中波用受信アンテナとして、屋外に5m〜10m程度のビニール線を張る。(危険ですから電線から離して張ります)
  ・AMラジオ用ループアンテナを製作する。  ⇒ ループアンテナの製作例はこちら
   電波(電磁波)によるループアンテナに誘起する電圧は、アンテナの実効面積が大きいほど高くなる。
ループアンテナの感度
Bループアンテナ(アンテナコイル)を製作する。
 1. ループアンテナ(アンテナコイル)の直径とインダクタンスの関係
空芯コイルの直径とインダクタンスの関係

    上のグラフは、0.3mmの銅線をそれぞれ10m、13m、15m使用した時の、密着巻のコイルの直径とインダクタンスの
    関係を表しています。 (大きなアンテナコイルとポリバリコンを組合せたものをループアンテナと呼ぶことがあります)
    空芯コイルとは、巻枠のない理想コイルの事です。 実際に製作するときもコイルは空洞に近い方が性能は上がります。
コイルの直径とインダクタンス 密着巻にした空芯コイルは、使用する巻線の長さが同じでも
コイルの直径(2r)によってインダクタンスが変わります。
(左図 線長10mの場合)
上のグラフから、直径40mm以下のコイルではインダクタンス
が低くなってしまうのがわかります。
 2. ループアンテナ(アンテナコイル)を製作するときのアンテナコイルの直径と必要な巻線の長さの関係
アンテナコイルの直径と使用巻線長の関係

   中波放送を受信する同調回路の、AM単連ポリバリコン(266pF)と組合せるコイルのインダクタンスは約330μHです。
   コイルには浮遊容量が存在して同調回路のコンデンサの容量に加わるので、実際には300μH程度のインダクタンスの
   コイルを製作して、中波放送を受信しながら巻線の長さを調整する必要があります。
   上のグラフは、0.3mmの銅線を密着巻にしてインダクタンス300μHの空芯コイル(ループアンテナ)を製作するときの
   コイルの直径と使用する銅線の長さの関係です。 
   ・直径200mmのループアンテナを製作する場合は、銅線を15m巻くと300μHになることがわかります。
   ・使用する銅線の太さは、0.3mmより太くても細くても、上のグラフに近似しますので入手可能な銅線で製作します。
   ・使用する銅線は、ポリウレタン銅線、エナメル銅線等を使用してください。 
裸銅線ではコイルは作れません。
   ・ポリウレタン銅線等の代わりに、ビニール線で製作する場合は浮遊容量が小さくなるのでグラフより長めに巻きます。

CAM検波回路を選択する。
   受信したい電波を同調回路で選択し、AM検波します。
DAM変調(振幅変調)
   低周波信号(音声)を電波に乗せるために、高周波信号の振幅を低周波信号に比例させます。
AM変調(振幅変調)
EAM検波(包絡線検波)
AM検波(包絡線検波)
   ゲルマニウムラジオで放送を聞くためには、バリコンを調整して「同調回路」を目的の放送局の周波数に合わせて、
   受信した電波をダイオードで「検波」します。
   検波出力は放送局の音声(低周波信号)に比例した変化をしています。
   (ダイオードを逆に接続すると下側(−側)が検波出力となりますが、音声(低周波信号)に比例した変化は同じです)
   検波出力の高周波成分の振幅の変化を結んだ線が「包絡線」です。 
   「クリスタルイヤホン(セラミックイヤホン)」を通すと包絡線=低周波信号(音声)を聞くことが出来ます。

FAM検波の波形

1.AM変調波の波形

搬送波 変調信号 変調波
搬送波(758kHz) 変調信号(1kHz) AM送信波
コルピッツ発振回路
実験用に発振回路を製作して波形を観測しました。
(コイルにリードインダクタを使用することにしたのでコルピッツ
発振回路にしました)
写真@発振波形(搬送波=無変調の高周波信号)です。
写真A変調信号(低周波信号)でトランジスタの増幅度を制御します。
写真B変調された波形(振幅変調された高周波信号)です。

(左の回路図をクリックすると大きくなります)

2.ダイオード検波(包絡線検波)の波形

ゲルマニウムラジオの回路図(包絡線検波)

ゲルマニウムラジオの回路図

高周波信号 検波出力 低周波出力
   ゲルマニウムラジオは、アンテナから入力されたAM変調の高周波信号(写真B)をダイオードで検波します。 
   写真Cは負荷に10kΩの抵抗を接続したときの波形です。  入力信号が整流されているのがわかります。
   写真Dは負荷に1000pFのコンデンサを接続したときの波形です。 高周波成分がコンデンサによって接地されて取り
   除かれています。 低周波成分はコンデンサにより平滑されて元の変調信号となっています。
   (コンデンサのインピーダンスは周波数によって変わり、高い周波数になるほどインピーダンスは低下します)

   クリスタルイヤホン(セラミックイヤホン)はコンデンサの役割もするので、ゲルマニウムラジオはコンデンサを接続しなくても
   音声を聞くことができます。

3.トランジスタ検波(二乗検波/自乗検波)の波形

1石トランジスタラジオの回路図(二乗検波)

1石トランジスタラジオの回路図


高周波信号 検波出力 低周波出力
   1石トランジスタラジオはアンテナから入力されたAM変調の高周波信号(写真B)をトランジスタで検波します。
   写真Eは負荷に10kΩの抵抗を接続したときの波形です。
   トランジスタの増幅特性によって(−)側が大きくなっています。(コレクタ出力はベース入力と位相が反転します)
   (入力レベルによって、(+)(−)の比率が変わるので見やすい波形が出るように発信器との距離を調整しました)
   写真Fは負荷に1000pFのコンデンサを接続したときの波形です。
   コンデンサによって高周波成分が取り除かれて、低周波成分が平滑された結果、元の変調信号が得られます。
   トランジスタの増幅特性によって得られる(+)側と(−)側が非対称の信号を利用した検波方式を二乗検波といいます。

Gレフレックスラジオ

   下図は、高周波増幅−検波−低周波増幅のストレート方式受信機のダイヤグラムです。 
   レフレックスラジオは、高周波増幅と低周波増幅を1石のトランジスタで行ってしまう、感度の良い経済的なラジオです。
受信機のダイヤグラム
ストレートラジオ
  レフレックスラジオは高周波増幅と低周波増幅を
  1石で行う経済的な受信機です。
  右図のように同調回路で選択した高周波信号と
  検波された低周波信号を1個のトランジスタ(FET)
  で増幅します。
  高周波と低周波を同時に増幅するためトランジスタ
  (FET)の出力はMIXされた信号となります。
  MIX信号をインダクタとコンデンサを利用して高周波
  と低周波に分離します。
レフレックスラジオのダイヤグラム
レフレックスラジオ

   1石レフレックスラジオ各部の波形

高周波信号 検波出力 MIX信号 低周波信号
高周波信号 検波出力 MIX信号 低周波出力
1石レフレックスラジオ回路図


1石レフレックスラジオの回路図
写真A 2SK241で増幅された高周波信号はコンデンサ(100pF)を通過してゲルマニウムダイオード(1N34A)で倍電圧検波されます。

写真B 2SK241のドレイン側に、増幅された高周波信号と低周波信号がMIX(重畳)された合成信号が発生しています。
(高周波信号と低周波信号の位相ずれのため波形がゆがんでいます)

写真C インダクタンス(3.9mH)で高周波成分が取り除かれて低周波信号(音声)が現れます。
(入力信号Aと出力信号Cは位相が180度反転しています)
AM放送(中波の電波)の電波の伝わり方
AM放送は中波の電波を使用しています。(526.5kHz〜1606.5kHz)
放送局の送信アンテナから見通しのある場所では強い電波が届きます。(距離の二乗に反比例して弱くなりますが)
中波の電波は、放送局の送信アンテナから距離が離れたり、直接波が届かない地域では電離層で反射した電波が届きます。
電離層: 太陽のエネルギーによって分子が電離して出来る、地上80km〜500kmにある電子密度の高い層です)
夜間に遠方の放送局の電波が受信できるのは、電離層で反射した電波が届いているのです。

昼間は太陽のエネルギーが強くなって電波を反射する電離層の下に別の電離層(D層といいます)の密度が高くなります。
この電離層(D層)が中波の電波を衰弱させます。 そのため電離層で反射できる電波のエネルギーが弱くなって、
送信アンテナから遠く離れた場所では中波放送が聞こえなくなります。
夜間になると太陽のエネルギーが弱くなるので、D層の密度が薄くなって遠方の電波が届くようになります。
7月〜8月頃は、太陽のエネルギーが強くなってD層の影響が大きくなるので、遠方での受信感度は特に低下します。

ゲルマニウムラジオは電波のエネルギーでイヤホンを鳴らしますので、電波の状態がそのまま感度に現れます。
夏季の昼間は、送信アンテナから離れた地域では、大きなアンテナを使用して受信する必要があります。

  自分で組み立てた簡単な仕組みのラジオで電波を受信してみるとラジオの働きがよく分かります。
  放送局の送信アンテナから遠い場所では電離層反射波の電波を受信しますので、受信する電波の
  強さは、季節・時間帯で変化します。(中波帯は夏季の昼間が弱く、冬季の夜間が強くなります)
  簡単な回路のストレートラジオは電波伝搬の状態がそのまま出力に表れるので、季節・時間帯の
  電波の伝わり方を体感する電子工作の教材になります。
  ラジオの受信感度はアンテナ、アース、アンテナコイルの工夫次第で向上させることが出来ます。
  シャンテック電子のラジオキットでラジオの製作にチャレンジしてください。
⇒ ラジオ・ループアンテナの製作例のページ
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